本記事では、Windows環境上に作成した共有フォルダをLinuxマシンから参照する手順を記載します。
LinuxでCIFSマウントを実現する
前提
- Windows共有フォルダは作成済み
- Windows側のファイアウォールは無効化済み
- 使用するLinux環境はUbuntu 20.04
Windowsの共有フォルダ作成方法は、こちらの記事をご参照ください。
実現イメージ
これから構築する環境のイメージはこんな感じです。

「前提」に書いた通り、Windows側の共有フォルダはすでに作成済みとします。(C:\share\ フォルダ)
この共有フォルダを、Ubuntu側から参照する方法を解説します。
cifs-utilsのインストール
今回CIFS(Common Internet File System)という仕組みをつかって、LinuxマシンからWindows共有フォルダを参照します。
LinuxディストリビューションによってはCIFSを利用するためのパッケージが導入されていないことがあるため、まずはそこから確認します。
user@ubuntu2004-01:~$ sudo dpkg -l |grep cifs
user@ubuntu2004-01:~$
なにも結果が返ってきませんでしたので、パッケージがインストールされていないことがわかりました。
それでは必要なパッケージをインストールしましょう。
user@ubuntu2004-01:~$ sudo apt install -y cifs-utils
マウントポイントの作成
つづいてUbuntu上に マウントポイント を作成します。
このマウントポイントが、Windowsだけ触ってるひとには少しわかりずらい概念で、イメージはこのような感じです。

Windows側で作成しておいた共有フォルダ C:\share\ とくっつけるためのディレクトリがUbuntu側で必要になるというイメージです。
言い換えると、Ubuntu側で /home/user/mount/ ディレクトリの中を覗く = Windows側の C:\share\ を覗く ということになります。
実際にマウントポイントを作成するコマンドは mkdir になります。
user@ubuntu2004-01:~$ sudo mkdir /home/user/mount/
user@ubuntu2004-01:~$ ll /home/user
total 32
drwxr-xr-x 4 user user 4096 Jul 21 21:47 ./
drwxr-xr-x 3 root root 4096 Jul 19 03:48 ../
-rw------- 1 user user 415 Jul 21 21:34 .bash_history
-rw-r--r-- 1 user user 220 Feb 25 12:03 .bash_logout
-rw-r--r-- 1 user user 3771 Feb 25 12:03 .bashrc
drwx------ 2 user user 4096 Jul 19 03:58 .cache/
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Jul 21 21:47 mount/
-rw-r--r-- 1 user user 807 Feb 25 12:03 .profile
-rw-r--r-- 1 user user 0 Jul 20 22:27 .sudo_as_admin_successful
ちゃんと /home/user/mount/ ディレクトリが作成できていますね。
共有フォルダをマウント
作成したマウントポイントと、Windows上の共有フォルダをがっちゃんこします。この作業のことを マウント とよびます。
下記コマンド例の<username>と<password>の部分は皆さんの環境に読み替えてください。
※Ubuntu側のアカウントではなくWindows側のアカウントです。
user@ubuntu2004-01:~$ sudo mount -t cifs -o username=<username>,password=<password> //10.10.1.254/share/ /home/user/mount/
user@ubuntu2004-01:~$
user@ubuntu2004-01:~$ ll /home/user/mount/
total 4
drwxr-xr-x 2 root root 0 Jul 21 21:51 ./
drwxr-xr-x 4 user user 4096 Jul 21 21:47 ../
-rwxr-xr-x 1 root root 0 Jul 21 21:27 test.txt*
/home/user/mount が Windows上の C:\share\として扱われるため、Windows側で事前に作成しておいた「test.txt」が見えてますね。成功です。
OS起動時に自動マウントする
実はさきほど実行した mount コマンドは、OS再起動すると消えてしまいます。
OS再起動のたびに毎回コマンドを実行するのも面倒ですので、通常はOS起動時に自動的にマウントするように実装します。
これを実現するには fstab ファイルを編集します。
user@ubuntu2004-01:~$ sudo vi /etc/fstab
fstabの最後の行にこのような形で追記します。
左から
- Windows共有フォルダ
- Ubuntu上のマウントポイント
- ファイルシステムの種類(今回はCIFS)
- マウントオプション(ユーザ認証情報と、権限)
- dumpの有無
- fsckの有無
を指定しています。
//10.10.1.254/share/ /home/user/mount/ cifs username=<username>,password=<password>,file_mode=0777,dir_mode=0777 0 0
この fstab なんですが、設定をミスった状態だとOSが起動できなくなることがあります。。。
なので、fstab編集後は必ずテストコマンドを実行しましょう。
このコマンドでエラーがでるようであれば、OS再起動してはいけません!
user@ubuntu2004-01:~$ sudo mount -a
user@ubuntu2004-01:~$
はい、無事にコマンドが通りましたね。
これでOS再起動してもWindows共有フォルダが自動マウントされるようになりました。
今回は以上です。
それじゃあまたね。